教職員のための教育法規2019
「-学校事故の危機管理-」(ワークショップ)終了
講師 坂田 仰(日本女子大学教職教育開発センター教授)
黒川 雅子(淑徳大学総合福祉学部教授)
日時 2019年6月29日(土)13:30~16:30 (受付13:00~)
場所 日本女子大学目白キャンパス 新泉山館2階 会議室1・2
対象 小学校、中学校、高等学校教職員、教育委員会関係者
定員 30人程度
終了報告
「主体的・対話的な深い学び」の言葉の下に、多様な指導や校外学習が行われています。 無事に終えられればよいのですが、事故につながった事例の報告もあり、その際に学校側の説明として、「これまで事故がなかったから、今回も問題ないと判断した」という言葉を聞くこともあります。
それまでの「経験」だけで判断することは珍しくないことと思われるかもしれませんが、学校内や校外学習先で事故が起こるまで、教職員がその「起こり得る危険」を意識していなかったとも言えます。
今回のワークショップでは、「前例踏襲」に潜む「危険」を意識化し、それを回避するための視点を養うことをねらいとし、法令や文部科学省等による通知、裁判事例を見ながら、学校における子供の安全を守るリスクマネジメントについて考えました。
坂田仰先生による講義では、「児童・生徒の安全を『これまで事故がなかったから、大丈夫だろう』という経験だけで判断しないことが重要。児童虐待、いじめ、学校事故などについては、文部科学省や関係省庁の通知やガイドラインを確認し、標準的な準備や事後対応についての知識を得ることが、児童・生徒の安全はもちろん、教職員自身を守ることにつながる」という説明がありました。
グループ協議では、幼稚園から高校までの現職教員や教育委員会関係者などが「体験活動中に起きた事故」について、普段の立場を超えて話し合いました。
グループごとに話し合った内容を模造紙にまとめ、3つのグループが発表の場に立ちました。
グループそれぞれの検討を振り返り、黒川雅子先生からは「校外での体験活動は、外部業者に児童・生徒の指導を委託しているケースもあるが、すべてを丸投げして済むものではない。児童・生徒を知る教員が事前に現地に赴き、直接安全の確認をする必要がある」という解説がありました。