+‥【目次】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
(1)目白が丘だより
(2)「卒業生ネットワーク」拡充に向けて
(3)卒業生発 リレーエッセイ
(4)研究・教育の現場から
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
□■– 目白が丘だより ————■□
<<「教職教育開発センター」から「教職総合センター」へ >>
教職教育開発センター所長 清水 睦美
突然のお知らせとなりますが、2025年3月末に、教職教育開発センターは閉所することが決まり、全学への報告が行われました。2025年4月からは、教職総合センター(Center of Comprehensive Teacher Education)として、カリキュラム部門、教育実習部門、教職キャリア部門を備えた、まさに教職を統括するセンターとして始動することになります。
本学は、長らく教職課程の統括機関として教職課程委員会があり、目白と西生田それぞれのキャンパスに設置されていました。教職教育開発センターの設置後は、教員採用支援対策に関して、目白では教職教育開発センターが、西生田では教職支援室が、それぞれその役割を担ってきました。そして、2021年のキャンパス統合を機に、これらの機能を統合することが検討されてきました。
具体的には、2022年11月5日に教職教育開発センター主催で、シンポジウム「日本女子大学の教職課程を考える」を開催しました。この詳細は年報『第9号』に掲載のとおりですが、シンポジウムに至るまでに、教職に関心を持つ学科や教員に集まっていただき、本学の教職課程を多角的に分析してきました。本学の教職課程の履修者数は、時代の影響を受けて縮小してきていますが、教員採用試験の合格者数は80名程度で推移していることが報告され、本学から教職へのキャリアは一貫して維持されていることが確認されました。
また、本学の教職課程は、教員養成型(幼稚園課程および小学校課程-児童学科・教育学科)と開放制型(教科専門型-中学校・高校の免許取得ができる学科)という2つのタイプの教職課程を維持してきており、それが多様な学生のニーズに対応できる一方で、教職を運営する際の困難さを生み出していることも確認されました。その上で、提案されたのは、「教職に関わる指導支援のニーズを一つにまとめる組織案」です。
この提案を受けて、2023年度は「教職課程検討分科会」が設置され、具体的な組織提案が行われました。さらに2024年度に入り「教職センター(仮称)設置準備ワーキンググループ」が始まり、2025年度の新センターの開設をめぐる検討が進められ、その結果、冒頭に記載した「教職総合センター」の設置が決まりました。
教職教育開発センター所長として、一連の検討過程に参加してまいりましたが、教職総合センターの設置により、本学の教職に関わる事業が一つにまとまり、学生や教職員、そして外部からも見えやすいワンストップ機能を持つセンターとなることが期待できると考えています。教職関連の組織の形は変わりますが、担っていく機能はこれまでと同じであり、一つになることでより一層力を集結できると考えます。
これからも引き続き、日本女子大学の教職に対するご支援をいただきたくあらためてお願いいたします。
□■– 「卒業生ネットワーク」拡充に向けて ————■□
<< 「公開講座」及び「卒業生懇談会」のご案内 >>
センターでは「教員採用試験対策講座」(2月~4月)に先駆けて「公開講座 教員採用試験入門-教員を志す皆さんへー」を開催します。公開講座前半は、「学校におけるハラスメントを考える」をテーマに実務経験豊富な弁護士の方に講演をお願いしています。
併せて、後半は「学生と卒業生(教員)との懇談会」を行います。例年、本学を卒業した教員の皆様が参加してくださり、学校の様子や教員としての生活、採用試験に関するアドバイス等、熱心にお話しいただいています。教員不足が言われる中、皆様にとっても教職の魅力を学生に伝える機会になるかと考えています。
また、公開講座終了後は、皆様と当センター教職員が懇談する「卒業生懇談会」も設定しました。センターの活動を報告し、今後の活動について皆様のご意見を賜りたいと存じます。
〇「公開講座 教員採用試験入門-教員を志す皆さんへ-」
【日時】2025年2月8日(土)13:00~16:00
【会場】日本女子大学 百二十年館 12001教室
【プログラム】
13:00~14:30 ①講演「学校におけるハラスメントを考える」山口卓男(弁護士・弁護士法人筑波アカデミア法律事務所)
14:45~16:00 ②学生と卒業生の懇談会
※学生向けチラシ
https://kyoshoku.jwu.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2025/01/kyousaikoukai2025.pdf
〇「卒業生懇談会」
【日時】2025年2月8日(土)16:30~17:30
【会場】日本女子大学 百二十年館 12007教室
【内容】2024年度センター事業報告(交流会、採用試験結果等)、今後の活動について
上記「公開講座②学生と卒業生との懇談会」からのご参加、あるいは「卒業生懇談会」のみでも結構です。もちろん、「公開講座①講演」は現職の方にも役立つ内容だと思いますので、①からの参加も歓迎いたします。
つきましては、ご参加いただける場合は、メールで以下をお知らせください。
(1)ご氏名
(2)ご所属
(3)参加される内容(「公開講座①講演」・「公開講座②懇談会」・「卒業生懇談会」)
教職教育開発センター E-mail:kyoshoku@fc.jwu.ac.jp
皆様のご参加をお待ちしております。
□■–卒業生 リレーエッセイ————■□
<<授業を通した子どもたちとの関係づくりを >>
平田 裕美子(平塚市教育委員会学校教育部教育指導課 、家政学部被服学科2005年3月卒業 )
これまで、交流会に参加させていただいた中で、学生の皆さんが希望をもって教職に就くために不断の努力をされている姿を目の当たりにしてとても頼もしいと感じています。
私は現在、教育委員会で働いています。先生方の教科教育の指導助言や研修を主な仕事としており、生の現場の声をお届けすることはできませんが、これから教職に就くみなさんに少しでもその魅力をお伝えできればと思います。
教育委員会は市役所内にあるので、窓口にはたまに卒業生が訪ねてきてくれます。不動産業を営んでいる卒業生が「家買わない?」と来たり、子連れで訪ねてきたりする卒業生もいて嬉しい限りです。教職の醍醐味は目の前の子どもたちの日々の成長もさることながら、卒業生との交流もまたひとしおです。
卒業生との交流の前提として、在学している子どもとの関係づくりはとても大切です。教員の仕事は他の雑務に圧迫されがちですが、「子どもたちがワクワクする授業をする」が何より大切です。子どもたちの「あ~!分かった」「なるほど、そっか」という声や表情には、「先生をやっててよかった」と思います。
授業づくりは大学で学んだ知識を活用し、時には先輩たちの技術を盗むなどして、また失敗もつきものと大きく構えて自分なりに精一杯取り組んでください。ワクワクしているかどうかは、子どもたちをよく観察すると分かると思います。
授業が楽しいと、「○○先生の授業、面白いんだよ」と家庭で話題にしてくれる子どももおり、おのずと保護者も味方になってくれます。子どもをよく観察することで、良いことも悪いことも含めて保護者に伝える話のストックができます。子どもはたとえ怒られたとしても、自分のことをよく見ていてくれる先生が大好きです。保護者も子どものことを気にかけてくれる先生を信頼します。授業を通した子どもたちとの関係づくりを実現し、皆さんの教職が実り多いものとなることを祈っています。
□■– 研究・教育の現場から ————■□
<<手書きのススメ②>>
教育学科特任教授 𡈽上 智子
5月号では文字を上手に書けるようになるための「見る力」についてお話しました。日頃から「正しい文字」をよく見ることが大切です。
ただし、日常で文字を書く際は、ある程度速く書く必要があります。また、長くたくさん書く場合、手が疲れないようにする必要があります。
そこで、ある程度の速さで、手が疲れないように書くには、「運筆力」という手指の運動能力を高める必要があります。例えば、利き手が右手の人が左手では上手く書けないのは、左手に運筆力、すなわち書くために必要な運動能力が備わっていないからです。
運筆力を高めるためには、まず、正しく筆記具を持つことです。正しい持ち方は、書写の教科書に載っています。持ち方を正しくすると、姿勢が整います。正しくない持ち方だと筆記具の先が見えず、見ようとしてのぞき込むので姿勢が悪くなります。姿勢が悪いと、脳の認知機能が低下し、学習の効率も悪くなります。「書く」ことは、脳の働きに大きく影響するのです。
次に、「水書用筆」の活用です。現行の小学校学習指導要領解説国語編第4章「2内容の取扱いについての配慮事項」(P166)に、低学年の書写指導について、以下のように書かれています。
「水書用筆等を使用した運筆指導を取り入れるなど,早い段階から硬筆書写の能力を高めるための関連的な指導を工夫することが望ましい。水書用筆は,扱いが簡便で弾力性に富み,時間の経過とともに筆跡が消えるという特性をもっている。その特性を生かして,「点画」の始筆から,送筆,終筆(とめ,はね,はらい)までの一連の動作を繰り返し練習することは,学習活動や日常生活において,硬筆で適切に運筆する習慣の定着につながる。」
水書用筆を使うと、力を抜いて書く感覚が身に付きます。そして普段文字を書く際には、2Bなど濃いめの鉛筆を使用することで、水書用筆と同様に力を入れずに書くことができ、手が疲れにくくなります。ぜひ、お試しください。