カモミールnetマガジン

2026年1月号

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   カモミールnetマガジン 2026年 1月号        

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+‥【目次】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
(1)目白が丘だより
(2)「卒業生ネットワーク」拡充に向けて
(3)卒業生発 リレーエッセイ
(4)研究・教育の現場から
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□■– 目白が丘だより ————■□  

<< 今年度の振り返りと次年度への展望 >>
            教職総合センター・カリキュラム部門長 榎本 聡

 大寒を過ぎ、寒さが最も厳しい季節となりましたが、先生方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。今回は、カリキュラム部門より今年度の総括とこれからの取り組みについてご報告いたします。

 本学は現在、5学部16学科において教員養成の課程認定を受けております。直近のデータとなる2024年度の卒業生実績では、243名が計372件の免許状を取得いたしました。すでにその多くが、皆様の新たな同僚として教育現場で歩み始めていることと思います。

 さて、今年度のカリキュラム部門では、現代の教育課題である「教科横断的な視点」の育成に注力してまいりました。自身の専門教科に加え、他教科や他校種の学びを理解することは、これからの教員に欠かせない資質です。
 この観点から、今年度は新たに、全面改訂された中学校の教科書を図書館に配架いたしました。学生たちが日常的に多様な教科書に触れ、視野を広げる環境が整いつつあります。

 また、学生支援の体制についても見直しを行いました。各学科で履修指導を担う教員の名称を、今年度より「教職担当者」へと変更いたしました。
 これは単なる名称の変更にとどまらず、学生個々の状況に応じたきめ細やかな対応を中心となって担う役割を、より明確にするものです。教員採用試験の多様化など、学生を取り巻く環境が変化する中、一人ひとりに寄り添った指導体制を強化しています。

 まもなく今年度も終わりを迎えますが、私たちは来年度以降も、学生にとって「分かりやすい情報発信」と「学びやすい環境整備」を推進していく計画です。
 卒業生の先生方におかれましては、年度末のご多忙な時期かと存じますが、お身体ご自愛ください。そして、進化を続ける母校の教職課程を、今後とも温かく見守っていただければ幸いです。

□■– 「卒業生ネットワーク」拡充に向けて ————■□   

<< 「公開講座」及び「卒業生懇談会」のご案内 >>
教職総合センター

 センターでは「2026年度教員採用試験対策講座」(2月17日~5月2日)に先駆けて「公開講座 教員採用試験入門-教員を志す皆さんへー」を開催いたします。公開講座前半は、「民間企業出身の校長から見た学校のリアル」をテーマに、学校現場の現状について民間企業から学校管理職に転職された講師の視点でご講演いただきます。
 併せて、後半は「学生と卒業生(教員)との懇談会」を行います。例年、本学を卒業した教員の皆様が参加してくださり、学校の様子や教員としての生活、採用試験に関するアドバイス等、熱心にお話しいただいています。教員採用試験の早期化により、近年、1、2年生の参加が増えています。教員不足が言われる中、是非、教職の魅力を学生にお伝えいただければと考えています。
 また、公開講座終了後は、卒業生の皆様に当センター教職員も加わり「卒業生懇談会」を行います。センターの活動を報告し、今後の活動について皆様のご意見を賜りたいと存じます。

〇「公開講座 教員採用試験入門-教員を志す皆さんへ-」
 【日時】2026年2月14日(土)13:00~16:00
 【会場】日本女子大学 百年館 百206教室
 【プログラム】
     13:00~14:30 ①講演「民間企業出身の校長から見た学校のリアル」黒木京子(横浜市立東高等学校 校長)
     14:45~16:00 ②学生と卒業生との懇談会

〇「卒業生懇談会」
 【日時】2026年2月14日(土)16:30~17:30
 【会場】日本女子大学 百年館 百204教室
 【内容】2025年度センター事業報告(交流会、採用試験結果等)、今後の活動について

上記「公開講座②学生と卒業生との懇談会」からのご参加、あるいは「卒業生懇談会」のみでも結構です。「公開講座①講演」からのご参加も歓迎いたします。

つきましては、ご参加いただける場合は、メールで以下をお知らせください。

(1)ご氏名
(2)ご所属
(3)参加される内容(「公開講座①講演」・「公開講座②懇談会」・「卒業生懇談会」)

    教職総合センター E-mail:kyoshoku@fc.jwu.ac.jp

皆様のご参加をお待ちしております。

□■–卒業生発 リレーエッセイ————■□     

 可能性を信じ、教師としての情熱を失わない限り、立派に成長していく生徒達。その成長を見守ることのできる教師とは、ほんとうに幸せでやりがいのある仕事であると思うのです。 
 

<< 成長を見守る >>
      横森 立子(韮崎市立韮崎東中学校 通級指導教室 教諭、家政学部理学科Ⅱ 生物農芸 1980年3月卒業)  

 女子大を卒業し、山梨県中学理科教師として46年間を生徒達と共に過ごしてきました。現在も子供達の特別支援にあたる日々です。変化の大きい時代の中で、さまざまな教育課題に直面しつつも、変わらずに教育に魅力を感じることができたのは、子どもたちの成長していく姿を目の当たりにし、限りなく喜びを感じることができたからではないでしょうか。

生徒はそれぞれに個性を持ち、成長の途上にあります。わずか三年の間にみごと成長します。相対的に生徒を見るのではなく、個性を認めながら相互関係をつくっていくことが必要に思います。校務に忙しいこともありますが、生徒達と過ごす時間を大切にしてきました。同僚との協力、仲間の助言、子どもたちと創りあげる授業・・・毎日の地道な授業実践を重ねながら、子ども達の成長や可能性を実感できたときの喜びはとても大きいのです。達成感と同時に、次への意欲を掻き立てました。

中学生は感性豊かで、様々なことを吸収します。そのため、常に自分自身も学ぶ意欲を持ち続け、子供達の実態に応じた分かる授業を提供できるよう常に努力してきました。実験・地域素材など教材を工夫することで良い授業が生まれ、生徒と教師とのより良い関係をつくってきたように思います。仕事に対する細やかさと配慮、粘り強さは女性教師の強みだと思っています。

  卒業後の生徒達との再会は言葉に出来ない喜びがあります。卒業生はさまざまな分野で活躍しています。あの時の生徒達は、今では一人前の教師 保健師 医師 学芸員 建築士・・・、中学時代のことを忘れずに覚えていてくれるのですから本当に有難いことです。教師となってこころから幸せを感じる瞬間です。

 
□■– 研究・教育の現場から ————■□  

<< 「戦後80年」の「日本史学論」授業より >>
            人間社会学部現代社会学科准教授 上田 誠二

 日本女子大学人間社会学部の教職課程では、中学校教諭一種免許状(社会)及び高等学校教諭一種免許状(地理歴史)を取得するための「教科及び教科の指導法に関する科目」の必修として、私が担当する「日本史学論」が開講されています。今年度は「戦後80年」にちなんで、この授業のオプション企画として(正式には私が所属する「平和を求める日本女子大学有志の会」のイベントとして)、映画『アオギリにたくして』上映と被爆者・神戸美和子さんの講演をセットで、4月26日(土)午後に成瀬記念講堂で実施しました。『アオギリにたくして』(2013年公開)は、広島平和記念公園の被爆アオギリの木の下で、被爆体験を語り続けた故・沼田鈴子(ぬまたずずこ)さんをモデルとした作品で、原爆で左足を失った女性が絶望の淵から語り部として生きていく姿を描いています。
 
 映画上映後には第2部として、原爆被爆者である神戸美和子(かんべみわこ)さんの講演会を行いました。神戸さんは、広島での被爆者として、7歳の目で見たあの日の出来事を中心に、戦後の苦難や助産師としての活動など、自己のライフストーリーを子どもたちや市民に現在も伝え続けています。神戸さんのお母さんは、被爆したことは(差別を受けるので)自分のために黙ってなさいと言い、他方、同じく被爆者であった義理のお姉さん(兄嫁)は、核兵器の恐ろしさを伝えなさい、そのために私の体を写真に撮っておきなさいと語ったそうです。こうしたジレンマに立たされた神戸さんが、女性被爆者として様々な差別や偏見にさらされながらも、助産師としていのちに向き合い続け戦後を生き抜き、語り部となり平和を希求し続けている姿に、当日参加した多くの女子学生たちは感銘を受けたようです。
 
 この企画は、映画のプロデューサーで主題歌・挿入歌を歌う中村里美さんのお話しと演奏、神戸さんの人生を描いた紙芝居なども盛り込みながら進行し、さらに会終了後に、神戸さんと学生の平場での交流を目的とした茶話会を実施するなど、戦後80年の節目にあって、映画、紙芝居、音楽、当事者の生の声といった多面的な場面において歴史を肌で感じ深く学ぶ機会となりました。混迷を極める現代社会にあって、女子大の教職課程で何ができるのか、大学における歴史教育で何ができるのか、今後もジェンダーの視点や人権と平和の視点から考えていきたいです。