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カモミールnetマガジン 2026年 9月号
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+‥【目次】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
(1)目白が丘だより
(2)「卒業生ネットワーク」拡充に向けて
(3)卒業生発 リレーエッセイ
(4)研究・教育の現場から
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□■– 目白が丘だより ————■□
<<ICTでつくる目白台フィールドワーク>>
教職総合センター・教職キャリア部門長 德安 浩明
中学の地理的分野における学校周辺の地域調査や、高校の地理総合での生活圏の調査を扱うにあたり、学校近辺のフィールドワーク(FW)を立案し、実施したいところです。昨年、着任早々で土地勘もない中、歴史地理学と地理教育を学んできた私は、大学周辺でのFWの可能性を模索してみました。
目白キャンパス付近を「地理院地図」で検索すると、地名が示す通り目白台は台地、北方は雑司ヶ谷の谷、南方は神田川の低地でした。台地と低地からなる、関東平野特有の地形そのものです。水田や宅地の開発は水を得やすい低地で早く、乏水地の台地で遅れる傾向があります。「今昔マップ」の「首都圏」の明治42年(1909)測図地形図では、南北の低地に水田が認められました。「全国Q地図」の「使い方ガイド」から「東京都1:3,000地形図」へ進むと、明治10年代の1:20,000関東地方迅速測図などが閲覧でき、開学前のキャンパス敷地には茶畑や畑が広がっていました。さらに「JHICO MAP」からは、幕末には雑司ヶ谷村であったキャンパス付近が武家地だったこともわかりました。本学は、明治維新期に立ち退いた武家屋敷跡の畑に開校(1901年)したようです。
一方、Googleマップによって、神田川沿いに肥後細川庭園や神田川上水取水口大洗堰跡を確認しました。東京都環境局の「東京の湧水マップ」のpdfファイルからは、関口芭蕉庵(松尾芭蕉の仮住まい地)に湧水を見つけました。この台地縁辺の段丘崖によくみられる湧水は、細川庭園の池の水源でもあったのです。
ネットでの下調べにより、過去の土地利用を思い描きながら台地と低地の「水」を巡る、60分間のFW案ができました。正門から南下して段丘崖の急坂を体感し、湧水や取水堰跡を巡るルートです。目白台に類似した地形は関東平野に広く存在するため、同様のFWは関東地方の各地で応用可能でしょう。ICTやGISの普及が、FWづくりを力強く支えてくれています。
□■– 「卒業生ネットワーク」拡充に向けて ————■□
<<2026年10月18日(日)目白祭同日開催イベントのご案内 >>
本学は10月17日(土)、18日(日)の両日、「目白祭」を開催いたします。
その中で、教職総合センターは、教育学科との共催で、目白祭同日開催企画として、10月18日(日)、2つのイベントを開催いたしますのでご案内します。ぜひご参加ください。詳細は下記のチラシをご覧ください。
チラシPDFリンク→https://kyoshoku.jwu.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/309f62c223e237f75b4020a5f69e490b.pdf
①講演・実践報告・シンポジウム『ESD・SDGs教育の現在と未来―「住み続けられるまちづくり」への展開は可能か?』(主催:人間社会学部教育学科、共催:教職総合センター)
ESD(持続可能な開発のための教育)・SDGs教育について、実践と課題を共有し、「住み続けられるまちづくり」へつなげるヒントを探ります。
〈日時〉2026年10月18日(日)10:00~12:30
〈会場〉日本女子大学 目白キャンパス(百年館低層棟2階 百201教室)
〈内容〉第Ⅰ部:専門家による講演、第Ⅱ部:学校現場からの実践報告、第Ⅲ部:シンポジウム
〈申込〉申込不要(直接会場にお越しください)
②『教職に就く先輩と学生の交流会』(主催:教職総合センター、共催:人間社会学部教育学科)
学校現場で活躍されている卒業生と学生の交流会は今年で6回目を迎えます。昨今、教員採用試験の早期化により、1、2年生の参加が増えています。特に、教職に関心はあるものの迷っている学生に教職の魅力を伝えていただき、一人でも多くの学生が希望を持って教員を目指せるようご支援ください。皆様のご参加を待ちしております。
〈日時〉2026年10月18日(日)13:30~15:30
〈会場〉日本女子大学 目白キャンパス(百年館低層棟2階 百201教室)
〈申込〉下記URLにアクセスして申込フォームに入力後、送信してください。
申込URL→ https://forms.cloud.microsoft/r/EMTHaPKQZh
□■–卒業生発 リレーエッセイ————■□
<<教員として、わたしらしく生きる>>
平馬 彩夏(川崎市立大師小学校 人間社会学部教育学科2019年3月卒業)
真っ青な空と風に揺れる緑の葉。「私って何のために教員をしているんだっけ」――ふと、そんなことを自分に問いかけていました。この仕事を始めて、もうすぐ8年が経とうとしています。
通常級の担任として勤めた後、特別支援学級の担任として勤めてきました。一人ひとりを尊重し、常に優しく、愛情深くありたい。「子どもファースト」でありたい。そんな思いでこの仕事を続けてきました。授業の計画をたてる時や問題に直面した時など、一番に考えることはいつでも、子ども達にとってプラスであるか、ということでした。
この8年、多くの子ども達と出会い、向き合う日々を過ごしてきました。
笑顔で過ごして楽しい日。授業中、一緒に真剣に考える日。子ども達の成長を感じて、心が満たされる日。授業で取り組んだ子ども達の作品が、コンクールで賞に選ばれて、まるで自分のことのようにうれしい日。職員室で、先輩と今日の笑っちゃったエピソードを話す日。困っていることや悩んでいることを相談する日。上手くいかなくて涙を流した日。心が折れてもう立ち直れない、と思う日もありました。それでも、教員の仕事をしたいと思うのは、私自身の心が、とてもわくわくするからだと思っています。子ども達と一緒に、授業をして笑顔でいられることが幸せだなぁと感じるのです。
最後に、今日まで教員を続けることができ、今の私があるのは、そばで支え、信じ、肯定し、応援してくれた周囲のおかげです。感謝の気持ちを忘れず、これからも一歩ずつ、私なりのペースで進んでいきたいと思っています。そして、仕事の時は「子どもファースト」でも、プライベートの時はもっと「自分ファースト」を心掛けていきたい!と思っています。
皆様も、心と体を大切に。ご自愛ください。
□■– 研究・教育の現場から ————■□
<<聞いてみました、「聞いたことがありますか『インクルーシブな〇〇』」>>
人間社会学部教育学科 特任教授 久保寺 浩
1994年6月にユネスコとスペイン政府がスペインのサラマンカで開催した「特別ニーズ教育に関する世界会議」で採択された「サラマンカ宣言」においてインクルーシブ教育が示されてすでに四半世紀を越えています。現在、中央教育審議会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループ(以下、特別支援教育WG)から2026.6.23に示された「取りまとめ(案)*」には、次のような記述があります。

続く、「取りまとめ(案)2(1)②重層的な指導・支援の考え方を踏まえた方策」では、「通常の学級において、障害のある子供たちをはじめ様々な面で配慮が必要な子供たちが在籍していることを前提として、全ての子供に対する多様性・包摂性を尊重した学習者主体の授業づくり、学級・集団づくり、教室・学習環境の整備を進めていくことが必要となる。」としています。こうした課題と改善の方策は、次期学習指導要領の3つの方向性の中の「多様性の包摂」に深く関わるものです。この「多様性」は障がいの有無に限らず広い概念で捉えるものであることは言うまでもありませんが、特別支援教育を必要とする児童生徒の増加が見られる現状において、こうした児童生徒に対する特別支援教育の充実と通常の学級での教育について、児童生徒を取り巻く多くの関係者の理解は十分でないと述べられています。今回、次期学習指導要領実施とほぼ同時期に教職1年目を迎える可能性の高い、主として中高生の教科等の指導に専門性を置く教職課程を履修しはじめたばかりの大学1年次生に「『インクルーシブな社会』や『インクルーシブ教育』という言葉を聞いたことがありますか」と質問をしたところ、91名から次のような回答が得られました。

この結果は、特別支援教育WGの現状分析と一致するところである一方、教育に一定の関心をもち教職を目指す学生においても、見聞きするという段階ですら「聞いたことがない」もしくは「わからない」という回答が70%近くに達しています。
また、「ある」と回答した者においても「それはどのようなことだと思いますか」との追加の問いには、「全ての人が安全安心にくらせる、障がいのあるなしに関わらず同じような環境で教育が受けられる」「障がいの有無や能力に捉われず子どもたち全員が平等に同じ空間で授業を受けられ活動できるように促すこと」「多様性を尊重する、差別をなくす、足並みをそろえていく」「障碍の有無に関係なく同じ教育を受ける」「すべての人がつながり合っている、孤立することがない」「全体的にやっていこうみたいな教育体系を目指すための言葉」「最先端で頑張ろうというイメージ」「名前は知っているが意味は分からない」など、不十分な中でも多様なイメージを持っていることがわかります。
この回答状況をもって認知度や理解度について語るつもりはありません。ただ、次期学習指導要領の中で改めて「交流及び共同学習」が教育現場に求められることを踏まえるとき、学校現場における制度や施策の充実、多様な取り組みの促進とともに、教職を目指す学生のインクルーシブ教育システムの理解や特別支援教育についての学びの充実の必要性を感じた一場面でもありました。
*中央教育審議会教育課程部会特別支援教育ワーキンググループ第10回配布資料「特別支援教育WG取りまとめ(案)」2026.6.23